- Windows 版 Excel 2000 〜2003 における「実行時エラー'1004' ATPVBAEN.XLAが見つかりません。」というエラーへの対処法
このエラーは、Excel のマクロ機能において「分析ツール - VBA」という
機能が有効になっていない場合に起こり得ます。
具体的には、Excel 2000〜2003 (Windows) において、
メニューの「ツール」→「アドイン」を選択した際に現れる
ダイアログ (本書 005 ページ 図0-6 のダイアログ) にて、
「分析ツール」と「分析ツール - VBA」の二点に
チェックが入っていないときに起こり得るエラーですので、
確認してみて下さい。
もし、このダイアログに「分析ツール」、「分析ツール - VBA」
の二つの選択肢がない場合、本書 002〜004 ページに従って、
「分析ツール」を御手元の「Microsoft Office」の CD-ROM から
インストールする必要があります。
もし、学校や職場などのコンピュータを利用しており、
ユーザーがソフトウェアをインストールできないような
設定になっている場合、お手数ですがコンピュータの管理者の方に
インストールをお願いして下さい。
以上、やや面倒な手順ですが、一度設定すれば以後本書の Excel ファイルを
全て使うことができるようになりますので、確認してみて下さい。
- Windows 版 Excel 2007 における「実行時エラー '1004' 'Run' メソッドは失敗しました: '_Application' オブジェクト」というエラーへの対処法
このエラーも、Excel のマクロ機能において「分析ツール - VBA」という
機能が有効になっていない場合に起こり得ます。
この場合、Excel 2007 において「分析ツール - VBA」を有効にする必要がありますが、その方法は以下の項目をごらん下さい。
- Windows 版 Excel 2007 において「CHAPTER00 Excel 環境のセットアップ」を行いたい
本書付属 CD-ROM の Excel ファイルは Excel 2007 でも動作致しますが、
そのための設定方法が Excel 2003 を用いた本書の解説と若干異なっています。
以下で Excel 2007 での設定方法を解説致します。
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本書 002〜004 ページに従い、分析ツールをインストールする
その方法はほぼ本書の通りです。ただし、図0-3のダイアログは現れません。
もし、学校や職場などのコンピュータを利用しており、
ユーザーがソフトウェアをインストールできないような
設定になっている場合、お手数ですがコンピュータの管理者の方に
インストールをお願いして下さい。
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分析ツールを有効にする
まず、Excel をスタートメニューなどから起動します (まだ本書の付属ファイルは開かない下さい)。そして「Office ボタン」→「Excel のオプション」とクリックします。
すると、以下のような「Excel のオプション」ダイアログが現れますので、
項目「アドイン」の下にある「設定」ボタンを押して下さい。
すると、本書図0-6と同じ「アドイン」ダイアログが現れますので、
「分析ツール」および「分析ツール - VBA」にチェックを入れて「OK」ボタンを押しましょう。
なお、このダイアログに「分析ツール」および「分析ツール - VBA」という項目がない場合、「分析ツール」のインストールが出来ていないことが考えられますので、
もう一度本書 002〜004 ページに従い分析ツールをインストールして下さい。
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マクロに関する設定を行う
上の設定に引続き、「Office ボタン」→「Excel のオプション」とクリックして現れる
「Excel のオプション」において「セキュリティーセンター」を選択し、
右下の「セキュリティーセンターの設定」ボタンをクリックします。
現れる「セキュリティセンター」ダイアログにおいて「マクロの設定」を選択し、
「マクロの設定」において「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」が
選択されていることを確認します。違う項目が選択されていたら、
「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」に変更して下さい。
これでマクロの設定は終了です。
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本書付属 CD-ROM 上の Excel ファイル起動時の注意
以上の設定をした後、本書付属 CD-ROM 上の Excel ファイルを起動すると、
図の位置に「セキュリティの警告」が現れます。ここで、図の
「オプション」ボタンをクリックします。
そこで現れる「Microsoft Office セキュリティオプション」において
「このコンテンツを有効にする」をチェックし、「OK」ボタンを押します。
以上で、Excel 2007 上で本書に従って演習が行えるようになります。
- Windows 版 Excel 2007 において CHAPTER05 のファイルの動作が遅い
CHAPTER05 では音声ファイルを読み込んでフーリエ変換を行うのですが、
御指摘の通り、Excel 2007 ではこの作業は Excel 2003 に比べて
非常に時間がかかります。これは、残念ながら Excel 2007 自体の仕様のようです。
そこで、CHAPTER05の Excel 演習をより高速に実行できるマクロファイルを新たに作成しました。こちらのサポートサイトからダウンロードできますので是非御活用下さい。
この高速化マクロファイルは Excel 2007 のみではなく、Excel 2000〜2003 でももちろん利用できます。
- 本書収録のマクロファイルは Mac で動作しますか?
本書付録CD-ROMに収録されているマクロファイルは Mac 版 Excel では動作しませんが、本書発売後に Mac 用に新たに作成したマクロファイルをサポートサイトにて入手できます。
動作チェックは Mac OS X 10.5 (Intel) 上の Mac 版 Excel 2004 上で行っています。
Mac 版 Excel 2008 ではマクロ記述言語である VBA (Visual Basic for Applications) が搭載されていませんので動作致しません。ご注意下さい。
Mac 版 Excel をお持ちでない方は、同時に入手できる OpenOffice.org 対応マクロファイルを Mac 用の無料のオフィスソフトである NeoOffice 上で動作させることもできます。合わせてお試し下さい。
- 本書収録のマクロファイルは OpenOffice.org で動作しますか?
本書付録CD-ROMに収録されているマクロファイルは OpenOffice.org では動作しませんが、本書発売後に OpenOffice.org 用に新たに作成したマクロファイルをサポートサイトにて入手できます。
動作チェックは Windows XP 上の OpenOffice 2.3.1、Linux (Fedora Core 6) 上の OpenOffice 2.0.4、Mac OS X 10.5 (Intel) 上の NeoOffice 2.2.2 にて行いました。OpenOffice.org の特性上、グラフ描画が遅いですが御容赦下さい。
また、ご利用の前に環境によっては OpenOffice.org にて以下の設定が必要になりますのでご注意下さい。
- メニューより「ツール」→「オプション」を選択
- 左側の項目一覧より「OpenOffice.org」→「セキュリティ」を選択
- 右側に現れる「マクロのセキュリティ」ボタンをクリック
- セキュリティレベルを「中」にして「OK」ボタンをクリック
以上で OpenOffice.org の設定は終了です。
- 参考文献を教えて下さい
フーリエ変換全般に関してですが、以下の文献は「空間のフーリエ変換」や「偏微分方程式の解法」など広い範囲をカバーしており、演習も多く学びやすいでしょう。
- 小暮陽三「なっとくするフーリエ変換」講談社 (1999)
さらにより高度な応用例を学ぶためには、以下の文献があります。
- 中村宏樹「偏微分方程式とフーリエ解析」東京大学出版会 (1981)
- 田辺行人・中村宏樹「偏微分方程式と境界値問題」東京大学出版会 (1981)
FFT の原理は、やや高度ですが以下の文献に詳しく書かれています。本書では微分方程式を4次のルンゲ・クッタ法を用いて数値的に解いていますが、その手法についても書かれています(ただし言語は VBA ではなく C です)。
- William H. Press ら「ニューメリカルレシピ・イン・シー」技術評論社 (1993)
線形システムについては多くの成書がありますが、例えば以下のものがあります。
- 曽根悟、壇良「電気回路の基礎」昭晃堂 (1986)
- 吉川恒夫「古典制御論」昭晃堂 (2004)
ブラウン運動などの確率過程については、高度ですが以下の教科書があります。
- 藤坂博一「非平衡系の統計力学」産業図書 (1998)
カオスについては日本の研究者によって書かれた以下の一般書が読みやすいでしょう。
- 森肇「カオス」岩波書店 (1995)
- 井上政義「カオスと複雑系の科学」日本実業出版社 (1996)
- 合原一幸、黒崎政男「哲学者クロサキと工学者アイハラの神はカオスに宿りたもう」 アスキー出版局 (1999)
カオスとフーリエ解析については、専門書ですが以下で詳しく解説されています。
- P.ベルジェ、Y.ポモウ、Ch.ビダル「カオスの中の秩序」産業図書 (1992)
コラムにてウェーブレット変換に何度か触れました。ウェーブレット変換には数学的な厳密性を重視した教科書が多いのですが、以下の文献は応用を重視しており読みやすいと思います。
- 中村宏毅、山本鎮男、吉田靖夫「ウェーブレットによる信号処理と画像処理」共立出版株式会社 (1999)
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